有限会社 岩切美巧堂

  〒899-4332 鹿児島県霧島市国分中央4丁目18−2 
  Tel 0995-45-0177  Fax 0995-45-3243 

   
   

 古くて新しい薩摩錫器。日常に存在感を与える、実用的な伝統工芸品です 

 伝統工芸品・錫器の有名どころと言えば、大阪の「浪華(なにわ)錫器」と、ここ鹿児島の「薩摩錫器」。
 現在、3つの薩摩錫器業者が点在する鹿児島にあって、高い技術力と独自の表現法で、名実共に薩摩錫器の
 牽引役を担っているのが、今から紹介する岩切美巧堂です。
 各賞受賞万博出品、そして、天皇陛下献上品として認められた作品は数あれど、その功績に甘んじる事無く、
 今なお新しい錫器の形を模索し続けています。
 伝統工芸品と聞くと敷居が高いイメージがありますが、錫の特徴として、 
   (1)錆びにくく安全性が高いので、口に触れても安心できます。
   (2)分子が荒く、不純物を吸収し浄化する働きを持つています。
   (3)熱伝導率が高く、焼酎・酒の口当たりがまろやかに変わる。
 と、実は驚くほど実用的なのです。
 メリットいっぱいの錫器を、日常生活にどんどん取り入れてほしい―。
 それが、岩切美巧堂の願いです。
  

 『鹿児島県指定伝統的工芸品』の肩書きが眩しい岩切美巧堂の薩摩錫器。
 手前にある花器もシンプルながら、その表面は吹雪と呼ばれる梨子地仕上げが施され
 重厚感を醸し出します。
 錫文化ルーツは江戸時代。 
 当時としては貴重な錫山を発見した事から端を発します。
 文献によると、錫器への本格的な取り組みは元禄時代。
 藩外へ積極的に流通させ、錫器市場を広めたとされています。
 錫器作りのファーストステップは、溶かした錫(インゴッド)を鋳型に流し込む作業から
 スタート。
 溶けた錫の香りが部屋中に広がっていきます。 
 製品の形・大きさ・肉厚等によって、温度を目で見極めながら流し込んでいくこの工程。
 溶けた錫の絶妙な色加減だけが頼りになります。
 この色を完璧に見極めるまで10年もの経験を要するのです。
 取り出された鋳物の表面は荒いため、ロクロにかけてなめらかに削り、形を整えて
 いきます。
 本来、木工用として使用されるロクロに鋳物を取り付け、ノミを横に動かしながら削
 っていくのですが、何十分の1ミリもの精度で削る作業だけに、高い集中力と熟練し
 た経験を要します。 
 スルスルと削られていく心地よい音が、職人技の熟練度を表します。
 口の細い花器や茶壺など特殊な形状の製品は、パーツごとに作った後溶接し、一つ
 の『モノ』として作り上げていきます。
  
 ガスバーナーを一定の方向へ固定させたまま、片方の手でひたすら回し、溶接してい
 きます。
 油断するとズレや歪が生じる作業だけに、見つめる眼差しは真剣勝負の気迫で!
 錫器の表情をさらに豊かにする絵付け、筆に漆を乗せ、繊細なタッチで描いていきま
 す。
 のちに梨子地仕上げを経て、格調高い薩摩錫器の完成となります。 
 モノ作りの世界にもデジタル化の波が押し寄せる中、極限までアナログな手法を貫き
 通している私どもの薩摩錫器、沢山の人の手が加わった錫器には、自然と愛着が
 わいてくると思います。
 岩切美巧堂の薩摩錫器は、昭和天皇をはじめ、皇族の方々への献上品として選ば
 れた実績があります。
 鏡面のように磨きぬかれた錫の光沢に、陛下もさぞお喜びになられた事でしょう。
 江戸時代までは特権階級の人々の間で、高級品として扱われていた薩摩錫器。
 一般でも使われだしたのは明治時代以降からと言われています。
 残念ながら、薩摩切子や薩摩焼に比べ、全国的な知名度は低めの薩摩錫器。
 しかし本物志向を求めるニーズに応えるかのように、全国有名デパートにて展示・販
 売されるなど薩摩錫器の良さが徐々にクローズアップされてきているのが喜ばしい。
 工房に併設された展示場です。
 『和風』ではなく『ジャパネスク』と呼んでください、和と洋がバランス良く取り
 込まれた空間ととなっています。 
 『伝統』に縛られがちな薩摩錫器ですが、最新の技術や若手の感性をプラスして、
 新しいスタイルの錫器作りにも挑戦し続けています。
 日本全国の一家に一つ、これが岩切美巧堂の今の目標ですかね。
 創業80余年の足跡
 1933年  シカゴ万国博出典
 1935年  梨本宮殿下献上
 1962年  皇太子両殿下献上
 1956年  全国工芸展入賞
 1970年  日本万国博出典
 1973年  三笠宮寛仁親王殿下献上
 1979年  全国伝統工芸入賞
 1981年  全国植樹祭展覧品出品
 1983年  天皇陛下献上
 1993年  匠のパリ展出品
 1997年  鹿児島県伝統的工芸品指定

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